杜の響き 
「杜の響き」メッセージ 第9章




         
           支援する楽士の人々



     平成19年、再建中の社殿に係る竣功祭に関し、衰退傾向の雅楽復活が課題と
    なり、急遽伶人会として編成することになりました。
 
     公募結果、ビギナーばかりですが幸い15名が集まり、笙・篳篥・竜笛の3
    パーツに分かれ3名の講師の指導を得て「越殿楽」「五常楽急」「浦安」の特訓
    と相成りました。

     楽士の年齢は40~70代と高く、残念ながら10代の若者に比べ適応能力は
    劣りましたが、熱意と継続により一年後の平成20年秋の竣功祭には稚児行列の
    先陣と神事等で立派に奏でることが出来ました。

     西洋音楽では、天才音楽家バッハにより計数的な楽典が確立され、また、楽器
    も改良を重ね、特に木管楽器では、キイにより♯・♭を容易に奏することが可能
    となり多様な演奏がなされています。

     五線譜に馴染んだ人にとって雅楽は、楽器も原始的でリズム・音程・息継とも
    相対感覚で奏する為、当初はビギナー楽士も随分悩まれたことと想います。

     然しながら、吹口で微妙に変化する音程、竜笛のオブリガート、篳篥のポルタ
    メント等に太鼓、笏拍子、鉦鼓、鞨鼓を合わせたハーモニーは西洋音楽と異なる
    侘・寂の情感を漂わせ、魅せられた音楽として、レパートリーの幅も広がりつつ
    あります。

     家庭事情で退会された人もありますが、今なお初期より12名が継続して活躍
    されており、謝意と共に幣神社の伶人会として末永い継承を念じています。
                       
         


                         平成26年10月1日 掲載
                        「杜の響き」 主幹 千雅翁




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