杜の響き  


 「杜の響き」
メッセージ 第73章

  パーティーで活力

       年初からの新型コロナ感染禍は相変わらず終息の気配もなく世界経済禍へと
      転移しています。人々には精神的な一層の活力が求められています。
       この様な中、先日某女子の永年の社会活動を祝賀したパーティーがホテルで
      開かれ、参加の機会を得ました。会場には各界から女史ゆかりの160余名が
      集い、当初危惧されたコロナ禍も、ホテル側のハイレベルの気遣いもあり、明
      るい雰囲気の内に酒食を嗜みながら準備された演目に陶酔いたしました。
       オープニングに、弊社にも寄贈頂きましたマーク・エステル画伯の幻想的な
      数々の絵画が背景音楽と共に映像され、会場の一同は忽ち幽玄の世界に勧誘さ
      れました。やがて雅楽の管弦に合わせ馴染みの巫女舞「豊栄舞」が舞われ、次
      に流麗な男舞で有名な舞楽「陵王」が演じられ威厳に満ちた静寂な雰囲気にな
      りました。
       引き続き主催者側の挨拶を挟んで一転、イタリアオペラによるガラコンサー
      トに移行され活動的なムードとなりました。
       ビゼーのオペラカルメンから恋を野の鳥に例えた自由奔放なアリア「ハバネ
      ラ」がメゾソプラノ歌手により華やかに唄われ、次いでバリトン歌手にリレー
      され、闘牛士を酒と女性で鼓舞するアリア「闘牛士の歌」が朗々と唄われ会場
      に活気が漂いました。引き続きプッチーニの有名な蝶々夫人から見放された旧
      夫への愛の告白「ある晴れた日」がソプラノの哀愁に満ちた歌唱で会場に響か
      せ、次に同じくプッチーニのトウーランドットより「誰も寝てはならぬ」がテ
      ノールで奏でられ、小生が青春時代に琴線を震わせ「寒い星空の煌めきを眺め
      なさい、やがて闇が無くなり日が昇れば希望が成就する」と自己流の解釈を以
      って人生の糧としたことを想起しながら懐旧の情に浸りました。終演に当たり
      四重唱によるベルディのオペラ椿姫の「乾杯の歌」があり華やかな中で幕とな
      りましたが、出席者の皆様にはコロナ禍払拭後の世界に光明を見出されたこと
      と思います。

       女史が唱える「地球循環に身を委ね大地に足を堅固に構えて気を貫徹すれば
      、心身ともに健全な体が維持増進される」の信条に活力が彷彿させられました
      。新型コロナ対策で社会規範が変貌する時勢に初対面の方々と同席させて頂き
      新たな絆が醸成されたことに感謝しています。

       八百万の神に感謝する神道は、地球自体が人類その他生物に生命を齎す根源
      として自然環境との共生を旨としています。今年の新嘗祭でも全国の神社で収
      穫された穀物への謝恩の神事が催されますが、弊社でも境内の細やかな田圃で
      得た抜穂の奉納を予定しています。

       地球との運命的出会いで棲息する人類に自然環境との共生の必然性を認識し
      つつ神恩の精神を維持したく思います。


    令和2年11月 7日

   「 杜の響き 第73章 」
澁川神社 責任役員 森下千晴 記

                

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