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「杜の響き」メッセージ 第71章
昨年末からの新型コロナウイルス感染は強烈なスピードでグローバル化し、今 や世界の流通機構に極度の停滞を齎し、政治、経済、芸能、文化、スポーツ等全 ての国際交流に影響を及ぼしています。 国内でも高齢者向けステイホームの啓蒙もあり、連日の猛暑もあって報道番組に 浸りながら８月１５日の終戦記念日を迎えることと為りました。 ７５年前は小学３年生で電波報道機関は公営放送に限られ終戦放送は真空管ラジ オ前で正座のうえ、内容を理解出来ない儘玉音として聴かされました。 当時のニュース番組は戦果報道一色で「敵機何機飛来、何機撃墜、敵艦何隻襲来 、何隻撃沈」と数値化した内容が大半で、終戦後はニュース番組が消滅するのでは と子供心に想像しました。 現在コロナ禍で感染者数が頻繁に報じられると往時の危機と重複した感慨に陥り ます。繰り返し報道される計数化された罹患者数に危機感を覚え、弾いては人間関 係に疑心暗鬼の心理的影響を与えないかと危惧しています。更に経済面でも世界恐 慌の兆しも予見され各国で対策が講じられています。 甚大な戦禍を負った大戦後は、衣食住全ての面で困窮を極めた社会となりました 。継ぎ接ぎだらけの古着を纏い、家畜や野草を食材に、炊事は井戸水、煮炊きは藁 や薪、学校教育は教材に欠き、校庭は畑に変貌される有様の中、人々は生活の糧を 求めて精励しました。科学の発展の中で人為的に惹起させた災禍にも拘わらず人々 は復興事業に邁進しました。 現在全世界に猛威を振り撒くウイルスについて、専門家によれば種類は異なるが 人類の歴史より遙かに先輩で地球創生期に現れ、自然界の生物を介して存在し続け る微細な粒子であり生物の細胞に遺伝子に準じた活動で様々な影響を及ぼすと言わ れます。 人類はペスト、スペイン風邪、SARS等近年だけでも幾多の感染を経験していま す。 今回の感染症は当初気管支関連で肺炎に準じた対応がなされていましたが神経系 を通じた多機能での症状や陰陽検査で把握不能な障害もあり、疫学的調査による多 角的なウイルス作用の分析と共に、広汎なトレーサビリティ、症状の軽重分類、ワ クチン開発と臨床調査など各方面で鋭意進められています。 敗戦国の驚異的復興を顧みると、宿命的な自然界との共生に人間の叡智と無限の 活力が発揮されることに及ばずながら期待する昨今です。 この度は国家的対策として基本に三密回避が採用され社会生活に多大な影響を与 えています。オンライン授業によるキャンバスライフの減少、テレワークによる労 働環境の変化、会社組織の改革、ソーシャルデスタンスによるスキンシップの減少 など動態的社会構造の変化により新たな社会的規範が構成されるものと思われます 。個体に陥ること無く公徳の精神を旨とすれば心豊かな社会が形成されることでし ょう。 自然界を崇拝する神社にあっては、科学的知見の及ばぬ高次元の念力に祈願を続 けて参ります。 令和２年 9月 6日 「 杜の響き 第７1章 」 澁川神社 責任役員 森下千晴 記 杜の響きへ続く 神社ＩＮＤＥＸ |
