杜の響き  

     
              「杜の響き」
メッセージ 第68章
    
                                             


    仁に依り、藝に遊ぶ

                     令和2年 6月 1日
                   
      

      5月25日新型コロナウイルス感染に伴う特別措置法に基づく緊急事態宣言
     が解除されました。地球規模で感染したウイルスは未だ終息に至っていない状
     況の中、49日振りのステップアップした方向性には社会全般の昂揚感が期待
     されます。

      当初、中国武漢での地域限定の感染症として安易な認識でしたが、瞬く間に
     全世界に拡がり各国挙げての対応となり人々に脅威を与え社会環境を著しく変
     貌させました。

      クルーズ船で象徴された厳しい医療体制に恐怖を覚え、全国民に対応策が意
     識付けされました。

      テレワークは抵抗感も無く普及し通勤パターンを変え、大学の講義もSNS
     を活用したデジタル授業となり、小中学生の通学風景も見られず子供たちの明
     朗闊達なスキンシップも消え、街中の賑わいはなく、ソーシャルデスタンス確
     保等で社会生活に多くの動態的影響を与えています。

      此の儘で推移すると、社会の物理的乃至精神的な変貌により生活空間での価
     値観への影響も避けられません。デジタルシステムの寡占化が進みやがて5G
     の時代ともなれば、社会的規範が想定外に様変わりする状況が派生すると思わ
     れます。

      公益性が求められる氏神神社を運営するに当たり、人間性を失う事無く携わ
     ることが肝要と心得ています。

      天空を眺めて年初第63章に提言した明るさを展望する「悠」の世界を念頭
     に環境を見澄ましながら、氏子の皆様には諸神事を通じて健全な精神の維持に
     寄与できればと願っています。

      論語述而第七に「志於道、據於德、依於仁、遊於藝。」とあり、普遍的な神
     道を旨として、道徳を基盤に、人の道を汚す事無く二人称に寛容な仁の精神を
     身に付け、自らの個性に準拠した知性、技芸を嗜む人生が送れればと念じてい
     ます。


                   令和2年 6月 1日 

                    「 杜の響き 第68章 」
                澁川神社 責任役員 森下千晴 記

                        


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