杜の響き  

     
                  「杜の響き」
メッセージ 第64章

             地球環境を再確認
                    令和2年 2月 1日
     

      年明け早々日本への朗報がありました。地球史の一つ「地質年代」で、千葉
     県市原市にある地層が、77万年~12万年前の特徴ある化石や岩石を観察し
     易い環境にあることから、同時期の「模式地」に指定、合わせて無名の同時期
     を「チバニアン」と命名された報道です。
      指定要素となったのが、地磁気逆転の痕跡です。
      子供の頃、方位磁石でNS極を教わり、爾来、北を上位に特化した地図で教
     育されてきました。地球自体が巨大な磁石を形成していて、派生する磁場によ
     り方位が容易に探索出来、生活環境に役立てています。この生成過程には諸説
     あり、浅学の小生はダイナモ説で理解しています。地球の自転と地殻で対流す
     る鉄を主体とした強磁性溶融鉱物がフレミング右手の法則で発電現象を起こし
     生じた棒状の電流がアンベールの右ねじの法則による磁場を形成する説です。

      この磁力が堆積岩や火山岩の生成過程で方位磁針として影響を及ぼした痕跡
     が残存しているのです。この現象に基づき、20世紀初頭、故松山基範京大名
     誉教授は兵庫県の玄武洞を皮切りに各地の岩石を調査し、地磁気逆転現象が地
     球史の中で頻発していた事を発見し画期的な論文を発表され、地球史にも25
     8万年~77万年前を松山逆磁極期と呼称されています。
      この度のチバニアンには地磁気の向きが、現在と逆、不安定、現在と同じの
     時期を示す痕跡が高さ約10メートル地層に明確に存在している由、今後の調
     査研究が地球史の価値を充実させるものと期待されています。
      磁気逆転の原理は、理論づけがされていません。地殻変動なのか太陽系から
     の影響か、未知の多い自然界でこの分野の科学探求は緒についたばかりなので
     す。

      宇宙の悠久の謎は、一端が解かれるごとに新たに未知の世界へと挑戦が派生
     します。地球環境には人智に不連続性で謎の個所が無数にあります。
      古来、神霊の憑依物として自然界で八百万の神々を祀る風習が誕生した背景
     には、太陽、雨、虹、オーロラ、ブロッケン現象等々一義的に視覚から得る天
     空の様々な自然現象に起因すると思われますが、地磁気や太陽からの放射能や
     更には科学的に理論づけされていない高次元の時空の存在があって、人類の霊
     感を支援しているような心理に陥ります。
      五感にないもので精神を構築する術は人間の叡智の為せる技なのでしょう。
      深淵な自然界に45億年前に誕生した地球に謝恩の心を培いたく思います。



                       令和2年 2月 1日 

                        「 杜の響き 第64章 」
                    澁川神社 責任役員 森下千晴 記

                        


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