杜の響き  
      
               「杜の響き」
メッセージ 第55章


                   
改元による節目

    目出度く譲位による改元の日を迎えました。
    新元号の令和は万葉集大伴旅人宅に於ける宴会での短詠「梅の花」32首の情景描写
   を紹介する序文「初春令月、気淑風和」からの出典と公表されました。
     意義は各人が様々に解釈されることですが、神社に仕える立場から勝手な見解をさせ
   て戴きました。令は令嬢、令兄など相手に尊敬の念を込めた言葉或いは掟の用語に使用
   されて来た経緯があり、また、和は聖徳太子17条憲法「和を以って尊しと為す」と明
   記され、「上和らぎ下睦まじく事を論うならば、道理が叶う」と説いています。

    神様からのお告げとして和の精神を尊ぶ世代である事を祈念した元号と解釈して、国
   民全般で親しみを込めて使用したく存じます。     
    この改元により、日本国中が一斉に歴史的節目を体験することと成りました。精神面
   での節目は往々にして人間形成に影響する起点となる場合があります。人類は、古今東
   西棲息する地球の自然に適応して多様な節目を設けています。一年365日を基準にし
   た暦による年齢に始まり各種の祭礼、行事があり節目になって人生に浸透しています。

     子供の入園、入学、就職、結婚から、神社で行う初宮、七五三、厄除け、等々は代表
   例ですが、この度の改元は、広汎且つ歴史的位置づけもあり重厚な節目に感じられます。
    改元を契機に全日本国民が一念発起して拳って夫々希望に満ちた目標設定がされるな
   ら一層明るい心豊かな社会が醸成されることと思います。また、人々には多様な人生設
   計が加えられると想定もされます。

     天皇陛下には退位の礼で国民向けに「世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」のお言
   葉を賜りました。平成時代に象徴天皇の在り方を確立されたことを寿ぎ、令和には天皇
   制度の意義を理解しつつ平和が継承されることを願っています。
     神社では係る目標が成就されますよう諸祈願を以って支援したく存じています。
  


                   令和元年 5月 1日
                  「杜の響き」 森下千晴 記



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