杜の響き  
      
             「杜の響き」
メッセージ 第51章
                    平成31年 元旦

               
                

                
     
迎春に当たり氏子各位には、人生目標を再認識しながら希望に満ちた清々しい日々を
    お過ごしのこととお慶び申し上げます。
     昨年は西日本豪雨、北海道の地震等相変わらぬ自然災害があり、近年発生した累積災
    害もあって、日本列島では各地で今なお復旧・復興の支援活動が続けられています。
    同事業に携わる方々には敬意を表したく存じます。
     年末には本年退位される平成天皇最後の誕生日に伴い、天皇自らの記者会見が行われ
    ました。少年期に第二次大戦を体験された後、厳しい惨禍の国土復興に始まり、日本列
    島の宿命的な自然災害等を組み込んだ回顧のお言葉には、国民の安寧と幸福を願った思
    いが滲み出ていました。

     私たちは常日頃天皇に接することも無く、報道と各地の行幸で垣間見て把握する程度
    ですが、この度のお言葉には胸打つ箇所が多くありました。改められた象徴天皇の存在
    意義を確立すべく精進された様子が伺い知れると同時に、後半には皇后への労いの言葉
    もあり敬虔な心の浸透したお人柄を偲ばせる場面でした。

     他方社会的には、朗報も多くありました。 本荘佑教授のノーベル賞、大腸内視鏡の
    イグ・ノーベル賞、はやぶさの小惑星到達、遭難事故のボランティア、各種スポーツの
    国際大会上位入賞、等々多方面での活躍があり、称賛したく思います。本年も更に躍進
    を続け、天皇の仰せの如く戦争の無い明るい社会の発展を期待致します。

     幣神社もお陰様で平成の社殿再建十周年を迎え、去る11月25日記念神事に引き続
    き、新設清流苑通水の儀、各種郷土芸能の奉納神社現況報告会を催行致しました。氏子
    の皆様のご支援の賜物と改めて感謝申し上げる次第です。 なお、例年設定しています
    神社運営の合言葉に昨年は論語の四海皆兄弟から「礼」と致しました。本年は、天皇の
    お言葉を拝借して「労い(ねぎらい)」と致します。文字から苦労が連想されますが、
    論語では苦労はしても恨みに思わないことと諭しています。災いを被った人へ慰労を込
    めて多用したい姿勢です。神社に限らず奉仕活動の心構えとしても活かされるよう念じ
    ています。末筆ながら本年も氏子の皆様に幸多かれとご祈念申し上げます。

                平成三十一年 元旦  澁川神社

                   「杜の響き」 千雅翁 


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