「杜の響き」メッセージ 第45章 人事天命 「 はやぶさ2 」に思う 2014年末に打ち上げられた探査機「はやぶさ2」が遂に小惑星「りゅうぐう」 上空20kmの周回に到達した旨発表されました。直径900m程度で宏大な宇宙 からすれば埃の如き星です。地球からの離間距離が3億kmと言われますので電波 通信でも往復30分を要します。探査機の速度、他の惑星による引力、地球の自転 搭載の装置の解析能力等々を加味した基地からの指令を素人なりに想像するとただ 驚嘆するばかりです。 大気圏を経た隕石と異なり宇宙爆発後の組成変化も少なく、既に炭素原子も確認 されており、有機物の生成、生物の誕生に至る原点への研究発展が期待されます。 自転に伴う太陽の輻射熱の変動で岩塊、砂の構成も観測され、現在探査機の着陸地 点を選別中との報道があります。 2020年末には帰還が予定されており、先の「はやぶさ」が得た小惑星「いと かわ」の資料と合わせた新たな知見が期待されます。人類最大の謎で生命の誕生、 或いは霊魂存在次元の確認に向けた科学技術の飽くなき挑戦が続きますが、探求心 を掻き立てる上で、謎は謎として未来永劫存続することにも意義が感じられます。 この度の気宇壮大な探査計画について、その進捗状況の報道がありましたが、 自信に充ちたコントロールセンター所長の背後に神札が祀られているのが拝見出来 ました。技術の粋を結集して挑むスタッフの「人事を尽くし天命を待つ」心情が伺 われます。無限に拡がる未知の世界への挑戦には、満願を込めて、沈着冷静な科学 技術が応用される事でしょう。 人生で遭遇する様々な難関に精魂込めて対応する時個人の能力に対して厳しさが 極限に達すると異次元の力に委ねる心境になる場合があります。 時空を超えた座標軸に霊魂の次元が存在するかも知れません。人智の及ばぬ神の 世界に思いを馳せることも情操には大切に思います。神社では氏子の方々の精神の 拠り所として諸祈願を助勢させて頂いています。 平成30年 8月 1日 記 「杜の響き」 千雅翁 杜の響きへ続く 神社INDEX |