杜の響き  
      
          「杜の響き」
メッセージ 第44章
          
 

            
  喜怒哀楽の共有

    全世界を凌駕するサッカーワールドカップシリーズが始まり、日本は念願の決勝
   トーナメント進出を賭けて奇策も加え辛くも競り勝ちました。国を挙げて更なる活
   躍を期待しています。

    人類は他の生物と異なり、生活の糧を獲得する目的以外に自らの運動能力を活用
   した精神的充足感を求めています。そんな中でサッカーほど多くの人々の心を昂揚
   させる単一スポーツは見当りません。単純なルールで場所・用具などの経費も少な
   く、然も団体競技であるため多様な仲間を擁したプロジェクトチームを構成してい
   ます。

    プロ化した後も魅力を倍加させ幼少期の子供達から普及に努め、更には膨大な
   サポーター組織を形成し、小集団から国レベルの大集団にまで、発展して来ました。
   報道機関も充足されており、今大会などでも、ゴールの瞬間に折り重なって狂喜す
   る選手、サポーターの大歓声が映し出され、臨場してなくとも瞬時に喜怒哀楽を共
   有でき、強い絆を醸成しています。

    スポーツで得られる一体感は、集う人々の本能的な願望により、勝敗に関係なく
   爽快な感情を齎せます。所詮、あらゆる生物は集団的本能を根底に地球環境に適応
   して棲息しており、人類が悠久より営む神社等での神事には、自然の恵みへの謝恩
   共通認識として存在しています。この習慣は日本固有のものでもなく、世界のあら
   ゆる民族に共有する概念であり、形式は異なっても各地で仲間意識を育むこととな
   ります。

    神社に携わる機会を与えられ、ご家族同伴で祈願される氏子に接することも屡々
   あります。僭越ながら固い絆と明るい家庭を推察しつつ、ご多幸をご祈念させて頂
   いています。

                平成30年 7月 1日
                 「杜の響き」 千雅翁 

                 

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