杜の響き  
        「杜の響き」メッセージ 第35章



               未知なブラックホール

     今年のノーベル物理学賞はブラックホールの衝突 ・ 合体に伴い生ずる重
    力波を
立証した功績に対し授与されます。国内でも歓喜に沸く研究者の群れ
    が報道され、携わる裾野の広さと絆の強さに感動させられました。
  
     子どもの頃、リンゴの落下とニュートンの話を聞かされ、後に物理の授業
    で、互いの物体間には引力が生じ、その量は質量を乗じた数に比例し、距離
    の二乗に反比例すると、教わった程度の幼稚な知識です。 今でもテストで
    地球上の重力が地域により異なる証明問題に悩んだことが、懐かしく思われ
    ます。
  
     100年も前にアインシュタインが唱えた一般相対性理論に基づき、ブラ
    ックホールの存在が証明され、ビックバーンによる宇宙誕生と、今なお膨張
    を続ける宇宙への研究観測には、理解も想像も出来ません。
     膨大な引力で光をも吸収し、その存在すら観測出来ずにブラックホールと
    名付けられた天体が、躍動により重力波を起こし、宇宙に伝播することによ
    り時間と空間に歪を齎すと言われます。今回捉えた歪は約13億年前に起き
    たブラックホールの衝突で発生した重力波に起因した現象と言われます。時
    間に当てられた四次元の分野は深遠で、今後も広汎な研究が進められると思
    います。

     アインシュタインによる理論は、理論物理の究極と言われています。然し
    将来異次元で従前の科学を超越した発想がなされ、想定外の知見も得られる
    かもしれません。 
     晩節に至り顧みると、不自然な現象、神憑り的状態に陥り、偶然として処
    した事例は少なからずあります。
     体験した偶然に対し、その前後の必然性の分析が可能ならば、人類に未知
    な誘導力が発見又は立証されることになります。
     更には、非科学的な事象の調査研究により、何時しか人のこころの到達点
    として、心理面を強力に吸引するブラックホールの存在が唱えられるかも知
    れません。このホールでは、この世を逝ったあらゆる生物の魂が、集積する
    場所もあって、神を崇める精神が集う謝恩祈願に満ちた霊界が存在すること
    にもなります。

     霊界は未知であることに意義をもって、人々の健全で、個性的人生観が育
    まれると思えば、科学分野では生命の起源への挑戦が、先行することでしょ
    う。
     勝手ながら、難解なブラックホールを曲解して、哲学者、心理学者、修行
    者、占い師等による素人向けの発想で、幽玄の世界が解きほぐされることを
    想像しながら、ノーベル心理学賞としての可能性を雑考してみました。


           

                      平成29年10月13日
                          千雅翁 筆



          杜の響きへ続く         神社INDEX