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春のメッセージ 第3回 視野に無い力 五月晴に泳ぐ鯉のぼりは、日本の風物詩として万人の心を捉えます。 視野で確認不可能な風の力をえて胴をはらませ尾をなびかせる姿は、空気の 動圧と静圧の絶妙なコントラストを立証しています。 勿論、物理学のベルヌーイの定理を基に創作されたものでなく凧と同じく 日常生活の中で、自然の恵みを利用したに過ぎません。 自然界では、観察される現象以外に重力、音波、輻射熱磁力、放射線など 人々の視野に入らずに生物の存在に影響を齎す事象が多数あります。探求心 の旺盛な科学者は、現象の理論づけに各分野で弛まぬ研究が続けられていま すが、多くの生命体は意識する事無く、長い歴史の中で同化適応して本能的 に生命維持を持続しています。 一方、人類に宿る祈願の精神も同様に視界の圏外にありますが、自然界の 現象とは異なり、哲学的な聖地の域と理解されます。従って科学技術の研究 発展の対象とはならず、強いて位置付けすれば、生物が共有する自然の恵み への謝恩に根差すものと考えます。 大宇宙の一角に存在する地球と言う星で棲息する智慧ある人間は、技術等 科学文明の発展や民族気質の相違とは関係なく、健全な心の伝承を継続する 宿命にあります。徳が無ければ嫌なことが創出します。 社会に謝恩を念頭に寛容と奉仕で仁の精神が伝播する事を願っています。 八百万の神が宿る自然界全てを尊崇すれば、次世代への貴重なレジェンド になると確信します。 平成29年5月こどもの日寄稿 平成29年 5月 5日 千雅翁 筆 |