「杜の響き」メッセージ 第25章





             多様な参詣者
                   -正月を終えて-


      初詣、厄除け神事と多数の参詣も一段落し、お陰様で本年も大過なく対応でき
     ました。関係者一同、氏子始め皆様方のご協力並びにご支援に深く感謝申し上げ
     ます。

      寒中にも拘わらず、拝殿前で数百人の方々が、整然と行列される様子を拝見し
     地域に根差した氏神神社の歴史を想起させられました。
      歴史書古事記の冒頭に記述される最初の神「高皇産霊神」を祀った経緯、当時
     の生活様式、神社に係る氏子の祭礼、祈願の内容、社殿の維持などを巡りつつ
     神社の位置づけは、何時の時代も心の拠り所であり、人々の絆を醸成する共通の
     場所であったと理解しています。
      近年、顕著な兆候は要介護者の参詣です。 福祉社会の改革もあり、関連施設
     から車椅子を利用した方も多数来られ、何れも素朴で純粋な精神が感じられ、又
     介護士の手厚い介添えの光景には、社務所にいる関係者も胸が熱くなります。
      神社殿再建にあたり、車椅子利用と大勢の参拝客で賑合う祭礼時の両面から現
     状に妥協しています。介護士の方には、比較的境内に余裕のある時間帯に来社頂
     き、配慮に感謝しています。
      
      先人達は、神社に集い互いの健康を祝福しながら、秘めた「仁」の精神に勇気
     を得て、優しさと親愛に満ちた集落を形成したことと存じます。
      現存する神社を座視すると、自然界への広汎な感謝の念を包含しており、健全
     な心に満ちた人間社会により永劫継承されると確信いたします。
      澁川神社では氏子の皆様の幸せを念じつつ、今後とも次世代に確実に護持継承
     される様、関係者一同務めて参ります。


                  平成29年 2月 1日 掲載
                   「杜の響き」 主幹 千雅翁




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