「杜の響き」メッセージ 第22章


                  


            今を考える 「 寛容と奉仕 」


     国家元首の存在意義が世界で話題になり、情報社会の配下に生活する人々に精神的
    影響を及ぼしています。 アメリカ、 韓国、 中国、 北朝鮮、 ロシア、イギリス等、
    一応文明社会が構築された国家でありながら、その発言や行動に批判の報道が多々存
    在します。 夫々背景にある根拠まで、詳細に理解できず同調すること無く、結果を
    座視することになります。而して、南米の人口約300万の小国ウルグアイの元大統
    領の来日公演が重く印象付けられています。

     過去、資本主義と社会主義に大別された世界経済も無謀な金融によるリーマンショ
    ック、パナマ文書にある租税回避、労働者の生産性、特権階級による汚職、民族間抗
    争などを考察すると、何れのイデオロギーも完璧で理想的とは断言きません。

     全世界には、70数億の人類が生存しています。 中の約 10% は国際貧困ライン
    の所得 1.9ドル/日以下で生計をたてていると言われます。強者の政策による格差
    社会の拡大を顧みて、人類が地球と言う恵まれた星に他の動植物と共に棲息している
    事実を認識して、元首は地位確保までの過程に拘泥すること無く厚い情を持って全人
    類の安寧に努めて頂きたい。
 

     各国の政治、経済、宗教、自然環境等を同じ座標軸に置き協調して政策を推進する
    ことも肝要と思われます。 対峙する各国には、二人称の立場を理解し「 寛容 」の精
    神と余力は「奉仕」へ転換することです。国家間に勝者も敗者もなく互いの国情を勘
    案し、国民が相対感覚で平和社会と認識可能な世界になることを期待しています。
    与えられた地球の自然環境は座標軸で人類が共有する恵です。

     神社では、教宣するイデオロギーも無く、全ての人々を念頭に自然界を対象とした
    八百万の神に常時感謝し崇敬致しています。




                    平成28年11月14日 掲載

                    「杜の響き」 主幹 千雅翁