杜の響き 
「杜の響き」メッセージ 第20章





            胸に響くパラリンピック


      「誰もが持つ心の強さ」をサブテマに揚げたリオ・パラリンピック大会が数々の
     感動を残し閉幕しました。
      開会式での選手は、皆笑顔で明るい行進でした。選手は下より、支援者の人達に
     とって、待望の祭典であることが伺えます。
   

      パラリンピックの発祥は、聖火の採火地であるイギリスで、リハビリの一環とし
     て実施した競技と言われます。次第に共感を呼び伝播した競技は、回を重ねる毎に
     認知度も昴まり、内容も充実し1960年のローマ大会より、正式な国際大会とし
     て催行されることとなりました。


      千差万別の障害者を対象とした競技には、種目や機能別の選定、補足器具の開発
     ・適応に始まり練習に伴う支援など、多面に亘る関係者の不断の協調・努力の存在
     が想像されます。


       障害を乗り越えて不自由な部位を補い自らの体力を最大限活用する競技には先の
     オリンピックに比べ、全種目で胸に響く場面が多くあり、その背後には一糸共通の
     「情」が繋がった思いがします。世界各地より集い報道された大会は、国家、宗教
     を問わず一衣帯水となり人類の絆醸成の礎になると確信します。


      他方、聴覚障害者の音楽、手の不具な人の絵画等芸術分野の逸話を連想する時、
     人類の無限の可能性に感嘆しつつ、不精の小生として責めて万人に情を注ぎたく存
     じます。

      人々は集いの中、互いの存在価値を認識することで情が湧きます。
      悠久より、護持され公益的使命を担う神社は、各種祭礼を通じて平易に集う地域
     連帯の場であり、氏子各位の情を育む泉として助勢出来れば関係者一同幸甚に思う
     次第です。

                  
                  平成28年 9月19日 掲載

                  「杜の響き」 主幹 千雅翁
    





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