杜の響き 
「杜の響き」メッセージ 第2章




                    ご 挨 拶  
                
「 夏の古き神事に想いを寄せて 」


       平素は、渋川神社の護持に多大なご支援を賜り関係者一同感謝致しています。
      お陰様で神社も順調に運営させて頂いてます。
       今年も半年を経過し昨日、夏越大祓いの神事を催行、世の穢れを祓い清める
      と共に、来る日々の弥栄を祈願いたしました。

       日本列島は、例年の如く梅雨期の到来です。 農耕民族の先人方は時として
      災害を齎すこの雨を慈雨として捉え、田畑に赴き、稲、野菜の生育に夢を懐き
      つつ嬉々として、利用してきた事と想像します。

       既に、ご案内の通り幣神社は、景行天皇の御代に創建、天武五年(676年)
      天武天皇御即位に伴う大典の折、当地に悠忌齊田が撰定され、秋の大嘗祭に際
      し祓穂式の神事を催行、直曾神社では直会を挙行、合わせて北方数百米の現在
      地に澁川神社として遷座した旨、古書に記載してあります。
       往時、明日香の地へ新米を奉納した古人の遺徳を偲び、同郷に居を構える我
      々には、大変名誉に感じられます。

       古来、日本では米穀を生活の基本糧として慎重し、豊穣祈願の祭礼が多々継
      承されて来ました。飽食時代の現代ですが、米作農業の懐古と飢餓に悩む民族
      の救済等で、一考するのも意義ある事と存じます。

       澁川神社では、この度境内に細やかですが稲苗を植えさせて頂きました。自
      然の恵みの中、秋の新嘗祭に向け氏子総代が丹精に手懸けています。参詣者の
      方々、稲の成育を眺めながら、心の癒しの一助びなればと、念じています。


                  平成24年07月01日 掲載
                     「杜の響き」 主幹 千雅翁
 






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