杜の響き 
「杜の響き」メッセージ 第19章





         情けが育む オリンピック

          
2016-08 リオデジャネイロオリンピック大会 
               

     第31回(第6・12・13回中止)近代オリンピックは、生命の源である太陽をモチーフに   
    開催されました。 古来太陽を中心とした自然環境を慈愛する神道の崇敬者として
    競技成績とともに祭典の意義を含め観戦させて頂きました。

     陽光が燦燦と輝くブラジルでの大会には随所にお国柄が見受けられました。
    開会式では、移民国らしく苦難の歴史と現在の陽気な国民性が示され、事前に報道さ
    れていた貧富の差による犯罪、環境汚染、ドーピング問題等多様な課題は一気に払拭
    しました。 恒例の選手団の入場は、過去に見られた整然とした行進と異なり選手の表
    情も明るく中でも母国を離れた難民チーム(10人)には、自由を得た喜びが感ぜられ
    渦巻く歓声に観客との一体感が滲み民族交流の場として成功を予感させました。

     数々のドラマを提供した大会の閉会式では、各競技で死力を尽くした選手達も一転
    開放感もあり勝敗とは関係なく清々しい表情が漲っていました。 技術・体力・精神力で
    競ったスポーツを通じ、大会関係者のみならず世界の観戦者にも、感動とともに友情と
    融和が育まれたことでしょう。 体操競技で個人優勝を重ねた選手がチームの総合優
    勝に拘り成就したシーン、勝者等のインタビューで語る支援者への感謝など例えれば
    多くの場面で広範な情の世界を覚えました。

     過去不開催となった大会の背景を理解の上、オリンピックの開催理念が 全世界の
    人々に浸透すれば、絆も醸成されやがて、情に覆われた空気による千里同風が起り
    世界平和構築に寄与することと信じます。 地球が太陽の慈悲を得て46億年と言わ
    れます。人類が地球環境と共生し、輝かしい支配者としてその歴史に刻まれることを
    念じます。


      
                      平成28年8月22日 掲載        
                      「杜の響き」 主幹 千雅翁




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