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五色旗からニホニウムへ 原子番号113番の新元素「ニホニウム」への熱き思い 多くの神社で祀られている五色旗の起源は四元素説の西洋文明に対峙した東洋に 伝わる五行説に基づくと言われます。洋の東西を問わず古代人は、森羅万象に適応 した生活環境を求め続けてきました。 気象を始め遭遇する数々の環境変化、文明の拡がりのなか、科学的視点から人々 が自然界の構成物質の解析に興味を懐き議論を重ねた末の理論と思います。 中国が発祥地とされる陰陽五行説は、時空を経て宇宙的発想を加え、やがて日本 に伝承され、現在では干支占いにまで応用されています。 原点となる五色は自然界を包括する元素を 緑(木)、赤(火)、黄(土)、白(金)、 黒(水)の5種に分類したとあり、体系付けられたメンデレフの周期表とは全く異な ります。 更には近年サイクロトロンの発明により原子核を変貌させ自然界に存在 しない新たな元素を創造する時代にあります。 この度の♯113ニホニウムの発見は、最近の象徴的事例です。瞬時の存在であ り社会一般への影響は無い元素との報道ですが、日本の科学研究の成果であり世界 のビックニュースとして賞賛が送られています。 無限に拡がる元素分野の研究に 驚嘆しています。 顧みるに神社に祀る五色旗には科学的根拠は存在しませんが、単なる自然界の構 成物質の総称のみならず、古代人が素朴な発想で崇めた八百万の神を人心に留める 神道思想の表現神具の一つとして継承されたと理解しています。 自然環境への謝意を忘れず、幣神社の今年の標語「情」を培う一助に活用したく 思います。 平成28年6月15日 「杜の響き 第18章」 主幹 千雅翁 |