澁川神社 御祭神  高皇産霊神 たかみむすびのかみ


                       



 

  澁川神社御祭神 「高皇産霊神」 について                神社INDEX 


  澁川神社の御祭神は、由緒ある 高皇産霊神(たかみむすびのかみ)です。

   どんな神なのか、概略ご説明しましょう。
   既に、文献等で御存じの方も多いと思いますが、改めてお話をしてみようと思いす。
   ご覧戴ければ幸いです。


  澁川神社の御祭神は「タカミムスビ」で、日本神話の神です。
  
別天津神の一柱(ことあまつかみ)(下段説明参照ー1)でもあります。
  
   この「タカミムスビノカミ」は古事記では、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、日本書紀では高皇産霊神と書かれています。

  ・
葦原中津国平定(あしはらのなかつくにへいてい)(下段説明参照ー5)

  ・天孫降臨(てんそんこうりん)(下段説明参照ー2)の際には、高木神(たかぎのかみ)という名で登場します。
   神社の祭神としては、高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)などとも書かれています。


   別名の通り、本来は高木が神格化されたものを指したと考えられていますが、

  「 産霊
(むすひ)」は生産・生成を意味する言葉で、神皇産霊神と共に「創造」を神格化した神です。
 
  
以上の事柄を整理すると、次のようになります。即ち、神名の表現こそ異なりますが、実は同じである事が、お分かり戴けたと思
   います。
        ・高御産巣日神(たかみむすびのかみ)・・ 古事記に登場
        ・高皇産霊神(たかみむすびのか)・・・・ 日本書紀に登場
        ・高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)・・ 各神社の祭神として登場
        ・高木神(たかぎのかみ)・・・・・・・・ 天孫降臨(てんそんこうりん)の際に登場


 
天孫降臨 (てんそんこうりん)
   天照大神の孫である瓊瓊杵尊(邇邇藝命・ににぎ)が 、葦原中国平定を受けて、葦原中国の統治のために降臨したという日本神話
   の説話です。女神的要素を持つ神皇産霊神と対になって、男女の「むすび」を象徴する神であるとも考えられている。
   『古事記』によれば、天地開闢の時、最初にアメノミナカヌシが現れ、その次にカミムスビと共に高天原に出現したとされるのが
   
タカミムスビという神なのです。

   子にオモイカネ、タクハタチヂヒメがいます。
   アメノミナカヌシ・カミムスビ・タカミムスビは、ともに
造化の三神(下段説明参照ー3)とされ、いずれも性別のないい神
   且つ、人間界から姿を隠している「独神(ひとりがみ)」とされている。
   

 
この造化三神のうち、カミムスビとタカミムスビは、その活動が皇室朝廷に直接的に大いに関係して
  いると考えられた為、
神祇官八神(下段説明参照ー6)として、八神殿で祀られた。

   アマテラスの御子神・アメノオシホミミがタカミムスビの娘タクハタチヂヒメと結婚して、生まれたのが、天孫ニニギであるので
   タカミムスビは天孫ニニギの外祖父に相当する。

   アマクニタマの子であるアメノワカヒコが、天孫降臨に先立って降ったが復命せず、問責の使者・雉(きぎし)の鳴女(なきめ)
   を射殺した。それがタカミムスビの怒りに触れ、その矢を射返されて死んだという。

   しかし『古事記』では、即位前の神武天皇が熊野から、大和に侵攻する場面で、夢に登場し、更にアマテラスより、優位に立って
   天孫降臨を司令している伝(つたえ)も存在する事から、この神が本来の皇祖神だとする説もあり多くあります。
 


             


  上記欄に記載されている神々、関連ある「名称(書かれている言葉)」について、補足説明をしておきます。

  1.別天津神(説明参照ー1)
      別天津神(ことあまつかみ)は、『古事記』において、天地開闢の時にあらわれた五柱の神々を云う。


  2.天孫降臨(てんそんこうりん)(説明参照ー2)

    天地開闢(てんちかいびゃく)とは、世界の始まりのこと。天と地はもともとは混沌として一つであったのが、天と地に分離
      したとする中国の古代思想を背景に成り立っています。
     ・天地開闢 (日本神話)
     ・天地開闢 (沖縄神話) 
     ・天地開闢 (アイヌ神話) 
     ・天地開闢 (中国神話)
     ・天地創造 (西洋神話)天地創造は 創世神話の類型中、原始混沌ないし原初物質から世界が生成・進化したとするものではなく
      神が何らかの方法によって世界を創造したとするもの。 一般には旧約聖書創世記のそれをさす。(広辞苑参照)

  3.造化の三神 (説明参照ー3)
     『古事記』上巻の冒頭では、天地開闢の際、高天原に以下の三柱の神(造化の三神というが、いずれも「独神(ひとりがみ)」
      (男女の性別が無い神として成って、そのまま身を隠したとされています。 
      ・天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ) -  至高の神 
      ・高御産巣日神(たかみむすひのかみ)   -  征服や統治の神
      ・神産巣日神(かみむすひのかみ)     -  生産の神


  4.五柱の神(説明参照ー1に関連) 天地開闢の次に、国土が形成されて海に浮かぶくらげのようになった時に、以下の
      二柱の神が現われた。この二柱の神もまた独神として身を隠した神々です。  
      ・宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ) 
      ・天之常立神(あめのとこたちのかみ)

      これら五柱の神を、天津神の中でも特別な存在として「別天津神(ことあまつかみ)」と呼ぶ。
      そして、更に別天津神の次に神世七代の神が現れた。


  5.葦原中国平定 (あしはらのなかつくにへいてい)(説明参照ー5)      
      葦原中国平定(あしはらのなかつくにへいてい)は、日本神話において、天津神(あまつかみ)が、国津神(くにつかみ)
      から、葦原中国の国譲りを受ける説話。国譲り(くにゆずり)ともいう。


  6.神祇官八神(説明参照ー6)
      八神殿(はっしんでん)は、日本の律令制の下で神祇官西院に設けられた、天皇を守護する八神を祀る神殿です。
      八神殿に祀られる神は以下の神で、延喜式と古語拾遺で表記が異なりますが、同じ神です。

      現在、和歌山県岩出市に鎮座する「大宮神社」が、神祇官八神を祀っています。
      大宮神社 主祭神 - 日本武尊

      <配祀神 - 神祇官八神>
      
高皇産霊神、神皇産霊神、魂留産霊神、生産霊神、足産霊神、大宮賣神、御食津神、事代主神 他、素戔嗚尊等十二柱の大神

      大宮神社は、和銅5年に熱田神宮より、日本武尊を勧請して創建され、当地の産土神となった神社。 中世、高野山を下った
      興教大師覚鑁が、紀州根来寺開創に際し、1142年に仏法の守護神として、神祇官八神を祀った。


             
 

神社INDEX